魔法の呪文
AUTHOR ゆう様





「リョウの手、大きくてあったかい…」


互いの想いを伝え合い、こうして夜を共にするようになってから
香はよく俺の手をそっと握ってくるようになった。


「俺の手がお前の手より大きいのは前からだろう?」
「うん…、でもリョウの手を握ってると何か安心するのよ…」


そう言ってまた香が俺の手を握る。
たったそれだけで俺の心もホッとする…というのは、俺だけのトップシークレットだけどな。


白く細い香の手。
その5本の指先1本1本が俺の手に絡みつく度に。
俺の血と硝煙に塗れたこの心は少しずつ浄化されていく。
そして、この世で誰よりも愛しい香を心から優しく扱う事が出来る。


"この瞬間だけ俺はお前に触れる事が許されるんだぜ、香…?"


口に出来やしない想いをありったけ込め、香の潤んだ瞳を見つめる。
その真珠のような瞳に俺だけが映るように。
その血の様な赤い唇が俺の名前だけを唱えるように。
100億もの脳細胞全てに俺という男の姿だけを覚えておくように。
その全てに俺だけが解ける強力な束縛という呪文を掛けていく。


「リョウの手って魔法の手みたい…」
「何でだ…?」
「リョウの手を握ってるとね、どんな事でも怖くないって思えるのよ…」


"あたしもリョウにとってそんなふうになれてるのかな…?"


不安げな表情を見せる香。
香、お前はいつだって俺を受止めてくれる。
リビングで俺を待っていてくれるお前を見る度に思うんだぜ。
後悔半分、嬉しさ半分。
中途半端な態度を取ってお前を悲しませてすまないと思う気持ちと。
待っていてくれる人間がいる事の安心感が混ざり合って。
もうどうしようもない。後には戻れない。いや、戻りたくない。
そんな唯の恋する男の気持ちが今なら何となく分かる気がして。


気が付けば、香の唇を奪っていた。


香、これだけは覚えておいてくれ。
お前に普通の幸せを送らす事すら出来ないこんな俺だが。
こんな俺なりにお前を誰よりも大切にしたいと思ってる。
例えお前がこれから人間を殺す事になったとしても。
俺はお前を愛し抜く。


唇から零れだす甘い吐息。
俺は今夜も極上の媚薬という魔法に陥ていく…。



Fin




【Catの一言】
ゆうさん、甘〜いお話ありがとうございます♪
りょうちゃんが甘いです♪原作では絶対こんなりょうちゃんに会えないから嬉しいです。




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